小児の訪問リハビリ|理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の役割と選び方

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みなさんは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の違いをご存知ですか?
私の娘は理学療法を週1日60分、作業療法を月2回60分、言語聴覚を月1回60分利用しています。娘はとても楽しんでリハビリを行っています。

自宅で過ごしていると、お子さんの生活や運動、コミュニケーション、食事などについて「心配だな」と感じたことはありませんか?そんな時に支えてくれるのが、リハビリスタッフです。今は、リハビリスタッフが自宅に訪問してサポートを受けられる時代になっています。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といった専門職が、お子さんの発達や生活に合わせた支援を行うことで、ご家族もより満足してお家で過ごすことができます。

この記事では、リハビリスタッフの役割、必要性、そして利用の流れについてわかりやすくご紹介します。

1.理学療法士(PT)の役割

理学療法士は、主に「からだの動き」をサポートする専門職です。
私の娘は、呼吸リハビリ・側弯進行予防のリハビリを主にお願いしています。他にも、

  • 寝たきり予防、正しい姿勢で寝返りや座る、立つ、歩くなどの基本動作を練習する
  • 寝ている時や座っている時などの姿勢やバランスを整える
  • 椅子・風呂・バギーなどの福祉用具・装具(足や体を支える器具)の活用方法を助言する
  • ご家庭でできる運動や遊び、福祉用具を提案する など

ベッドから離れて運動発達の基盤を作ることで、子どもの可能性を広げて「やりたい!」を支えます。
一緒に公園に行ってくれることもあります。


2.作業療法士(OT)の役割

作業療法士は、「日常生活の活動」を中心に支援します。
私の娘は最近、紐をひっぱったり、ハイタッチをしたり、風船で遊んでいます。他にも、

  • 食事、着替え、排泄など生活動作の練習
  • 手先を使った遊びや学習への準備
  • 感覚の偏り(感覚過敏や鈍麻)への対応方法の工夫
  • 環境調整や福祉用具の活用の提案など

理学療法よりも細かい動きを行い、「自分らしくできることが増える」ことで、子どもも家族も生活がスムーズになります。


3.言語聴覚士(ST)の役割

言語聴覚士は、「ことば」と「食べること」の専門職です。言葉が話せなくても、意思疎通ができる方法を見つけていきます。
私の娘は現在、食べる練習をしています。主に歯科医師と言語聴覚士が情報共有しながら安全に摂食訓練をすすめています。

  • 発語や発声、コミュニケーション手段の支援
  • 絵カードや視覚支援ツールを使った表現の練習
  • 食べ物や飲み込みの練習(摂食嚥下支援)
  • 家族への関わり方や声かけのアドバイス など

「子どもと親のコミュニケーションが深まる」「安心して食べられる」ことは、生活の楽しみや安心感につながります。

4.小児のリハビリの必要性

1)発達の土台を支え向上するため

子どもは日々、運動・感覚・言葉・認知などさまざまな機能を発達させていきます。ところが、医療的ケア児の中にはベッドで過ごすことが多かったり、発達に苦手な分野があります。リハビリは、その発達の「土台」を整え、子どもが持つ力を最大限に引き出す役割を担います。

2)生活の質(QOL)の向上

リハビリによって、ベッドから離れて、「できること」が増えると、本人の自信や達成感につながり、生活がより豊かになります。また、姿勢や動作の工夫によって日常生活の負担を軽減できるため、本人だけでなく家族の生活の質も向上します。

3)二次的な障害を予防するため

発達の遅れや運動機能の制限を放置すると、関節の変形や筋緊張の悪化、呼吸・嚥下の問題など、二次的な障害につながることがあります。リハビリを早期に取り入れることで、こうした合併症を予防する効果が期待できます。

4)保護者・家族への支援

リハビリは子ども本人だけでなく、家族へのサポートも重要です。「どうやって遊べばいいのか分からない」「ベッドで寝ていることが多くなってしまう」「身体が大きくて介助が大変」などの困りごとを確認して、家庭でできる練習方法、子育てや介助の工夫、学校や地域との連携方法などをアドバイスすることで、家族が安心して育児・介護を続けられるようになります。

5)社会参加や将来の自立につなげるため

リハビリは「治す」ことだけでなく、子どもが地域社会で自分らしく生活していく準備でもあります。遊びや学習、コミュニケーション、友達との関わりなど、将来の自立や社会参加を見据えた支援が大切です。理学療法では公園に連れて行ってくれることがあります。

5.訪問リハビリの問題点

医療的ケア児や発達支援が必要な子どもが増えており、訪問リハビリのニーズは急増しています。しかし、

・地域によっては、小児リハビリスタッフが不足している場合もあります。
・また、大人向けリハビリを経験してきたPT・OT・STが、小児分野に初めて関わることもあります。その場合は「小児リハビリの知識や技術を勉強中」というケースも少なくありません。

6.訪問リハビリの選び方

1)提供事業所の種類を確認

訪問リハビリは大きく分けて、病院・診療所が運営するものと、訪問看護ステーションが運営するものがあります。
病院系は医師、訪問看護ステーションは看護師と連携した支援が得意とされています。

2)専門職の体制をチェック

小児のリハビリを経験したことがあるか、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が在籍しているかを確認しましょう。「歩行訓練を中心にしたい」「食事や会話のリハビリが必要」など目的に合った専門職が対応できるかどうかが大切です。

3)サービス内容と柔軟さ

  • 週に何回、何分利用できるのか(上限はあります)
  • スタッフは固定か
  • どんなことをしてくれるのか、困っていることに対応してくれるのかなど

といった内容を事前に確認しましょう。

4)事業所の雰囲気やスタッフの対応

実際に問い合わせをした時の対応や説明の丁寧さも大事な判断材料です。
信頼できる担当者に出会えると、長期的に安心して利用できます。


7.契約の流れ

訪問リハビリを始めるには、以下のステップを踏みます。

  1. 主治医に相談
    訪問リハビリには医師の指示書が必要です。まずはかかりつけ医に相談しましょう。
  2. 相談支援専門員・医療的ケア児等支援センターなどに相談or自分で調べる
    最近はSNSを活用している事業所も多いです。
  3. 事業所との面談・説明
    サービス内容や費用、利用回数などの説明を受け、疑問点を確認します。
  4. 契約の締結
    同意すれば契約書を交わし、利用開始日を決めます。
  5. リハビリ開始
    初回は評価を行い、その方に合ったリハビリ計画を作成してスタートします。

8.おわりに

訪問リハビリを利用して、子どもの表情も良くなり楽しんでいる実感があります。訪問リハビリを通して、生活の不安を解決したり子どもの可能性を広げていきましょう。

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