NICUを卒業しても続く不安と希望|新生児科フォローアップ外来で再確認する現実

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医師の説明を母親・父親・赤ちゃんが聞いている写真

1. はじめに

「診察や採血結果を聞くたびに緊張してしまう」
「医師の言葉に、現実を知り、胸がぎゅっと苦しくなった」

そんな経験、ありませんか?

私は、新生児科のフォローアップ外来で医師と話したあと、
涙があふれてしまうことがあります。
この記事では、診察で現実を突きつけられたときに、
私がどんなふうに受け止め、どう乗り越えてきたかを綴ります。


2.新生児科フォローアップ外来とは?

NICU(新生児集中治療室)を退院した子どもが、
成長や発達、生活全体について診てもらうための外来です。
終了時期は子どもによって異なりますが、
循環器や神経科のような“単科の診療”とは違い、
将来の見通しも含めて、総合的にみてもらえるのが特徴です。

NICU時代から担当してくれている医師と話すと、
妊娠中のこと、NICUでの毎日、楽しかったことも苦しかったことも、
いろんな記憶がよみがえります。


2. 診察で言われた、心に残っている言葉

新生児科の医師とは、妊娠中から今まで、もう1年以上の関係になります。
医師の言葉の中には、重く心にのしかかるものもありました。

  • 妊娠中:「(娘の病気に関して)医療の進歩によって生存率は上がっていますが、
    治療をしても救命が難しい場合もあります。
    予測されるQOL(生活の質)も厳しい可能性がある病気です。
    治療をすることが本当にその子にとって最善か、よく話し合って決めましょう」
  • NICU:「手術をしないと、今年を越えられないかもしれません。」
  • 退院後の新生児科フォローアップ:「今後、無呼吸や誤嚥性肺炎で呼吸状態が悪化する可能性もあります。その際、気管切開を希望しますか?どうか1日1日を大切に、ご家族でたくさん思い出を作ってくださいね」

気管切開についての思いを
綴っています。


3. そのときの私の気持ち

妊娠中から現在まで、夫と医師と娘と一緒に、
いろんな出来事や選択を乗り越えてきました。
NICUを卒業し、今は比較的元気に過ごしている娘。

「この先の厳しさ」を言葉で聞いても、
どこか現実感がなくて、うまくイメージできない自分がいます。
でも、心のどこかでは分かっているんだと思います。
だからこそ、その言葉を聞いた瞬間、胸がぎゅっと苦しくなるのです

「生命予後が厳しい病気」と言われても、
今日笑っていて、今日生きているこの子を見ていると、
**本当にそんな未来が来るの?**と、どこか信じきれない。
心が追いつかず、宙に浮いたような感覚になりました。

私は先のことを知っておきたいタイプなので、
将来や予後についても医師の話をなるべく聞くようにしています。
でも、未来を知れば知るほど不安が大きくなってしまうこともあります。

「1日1日を大切にしてください」
その言葉は、今を大切に生きようと背中を押してくれる反面、
「終わり」を意識せずにはいられなくて──
心の奥がきゅっと締めつけられるような思いがしました。

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4. どう受け止めたか、立ち直れたか

診察のあと、娘を抱きしめながら
家に帰って泣いてしまうこともあります。
そんなときは、娘の笑顔に癒されたり、
SNSで同じ経験をしているママたちの言葉に励まされました。

訪問看護師さんに「娘さんは元気だよ。強いよ」と
言ってもらえたときは、少し心が軽くなりました。

時間が経つと、気持ちが落ち着いて、
「将来を不安に思うよりも、今を楽しもう」と思えるようになっていきます。


5. いつかのことは真正面より片隅に

未来のことは、誰にもわかりません。
人生は、想像もできないような無限大の可能性があります。
医師の言葉や現実は、大切な情報ではありますが、
それをすべて真正面から受け止めすぎると、
心が押しつぶされてしまうこともあります。だからこそ──
その言葉は、心の片隅にそっと置いておくくらいでいいのかもしれません。
今は、目の前にある小さな成長や、今日の笑顔を大切にしながら、
毎日を精いっぱい生きていけたら、それで十分なのだと思います。

6.おわりに

厳しい現実と向き合うのは、本当に苦しいことです。
でも私は、医師と話し合う時間により、向き合うからこそ、
「後悔しない毎日とは何か」を考えるようになりました。

命は、長さだけで測れるものではない。
どんなふうに生きるか──その“質”を大切にしたいと、今は思っています。

  • 涙が出るのは、それだけお子さんを大切に想っている証です
  • 現実を受け止められなくても大丈夫
  • 無理に前向きにならなくてもいい。苦しいときは、立ち止まってもいい
  • そしてあなたは、決してひとりじゃありません

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