医療的ケア児の祖母の本音|娘の涙に向き合い、覚悟した”もしもの日”【体験談】

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【インタビュー】祖母/60代

今回は、祖母である、私の母にインタビューしました。
妊娠中の不安から、出産後のサポート、そして今の日々まで。
母として、祖母として、どんな思いで見守ってくれていたのかを振り返ってもらいました。


1)[娘]の妊娠中についての話を聞かせてください

母:
孫ができると聞いて、本当に嬉しかったです。
育児グッズを一緒に見ながら、
「今はこんなに便利になってるんだね」と感心していました。

いきなり「赤ちゃんが小さいって言われたから、仕事を休んで大学病院に入院する」
と突然聞いて、とても驚きました。
何が起きているのかもよく分からず、心配でした。

「病院に面会に行くよ」と言ったのですが、
「夫が毎日来ているし、来ても話すことはないから大丈夫」と断られてしまって…。
何も分からなくて、とにかくとても心配でした。


2)医療的ケア児だと聞いてどう思いましたか?

母:
全く聞いたことがない病名でした。
娘がこども家庭庁のURLを送ってくれて、それを読んで初めて、
重い障がいがあり、医療的ケアが必要なことを知りました。

娘は「誰にも会いたくない」と言っていたので、
私がいないときに実家に戻って、犬と遊びながら心が少しでも休まれば…と思っていました。

生まれてもすぐに亡くなるかもしれない、という話もあり、
娘からは火葬やお墓の相談を受けました。
喪服が必要かもしれない、と言われて、準備もしました。

”18トリソミー”と診断されて、
すぐ家族に連絡しました。
家族はとても心配していたので
「早く伝えなきゃ」と思ったからです。

でも、私も正直なところ
十分に把握できていませんでした。
そこで、ネットで検索して
「子ども家庭庁の18トリソミーの紹介動画」
が分かりやすかったので、
動画のURLを送りました。

障害のあるお子さんの暮らし(18トリソミー)|ピアサポート活動に興味・関心がある方への学習コンテンツ|妊娠中の検査に関する情報サイト|妊娠中の検査に関する情報サイト


3)出産後について

母:
無事に生まれてよかったです。
NICUに面会に行ったとき、1800gときいて本当に小さくて、
「どうか元気に大きくなってほしい」と願いました。

手術をするかどうかという話のとき、私は少し厳しいかもしれませんが、
「一人では育てられないから、しっかり夫婦で話し合いなさい」と言いました。
ふたりで決めたことなら、どんな決断でも応援するつもりでした。
親として、できるかぎりのサポートはしたいと思っていました。


4)退院してからについて

母:
孫をあやすことはできますが、医療的ケアはできません。
なので、家の掃除をしたり、「何か手伝えることある?」と娘に聞いて、
できる範囲でサポートしています。

娘と孫はほとんど家にいるけれど、楽しそうに過ごしているみたいですね。
夫婦で協力して育児をしていて、「本当にいい夫を選んだな」と安心しています。

ときどき、私たち家族みんなで出かけたりすることもあります。
孫・娘夫婦・向こうのご両親と一緒に、写真館で写真を撮ったり、クリスマス会を開いたり…。
とてもいい思い出になっています。


■ 編集後記

母の言葉からは、私の人生を見守り続けてきた親としてのまなざしと、
孫を想う祖母としてのあたたかさが伝わってきました。

現実的で冷静なアドバイスもくれるけれど、
いつも根っこには「娘が大切」「支えたい」という深い想いがあるのを感じています。
色々思うことはあると思いますが、あまり多くを言わず、
夫婦の意見を尊重してくれるのも助かります。
後ろからそっと手を差し伸べてくれる母に、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

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