元看護師ママが驚いた!小児科病棟で実際にあった医療的ケア児のサポート5選
私の娘は、体調が不安定な時には、
月1-2回入院することがあります。
「入院して良くなる」という希望がある一方で、
また入院か…という悲しみや戸惑いも。
医療的ケア児は、入院中も必要なケアがたくさんあります。
ですが、担当(プライマリー)や病棟の看護師さんが
しっかり情報共有をしてくださっているおかげで、
毎回の入院でもスムーズにケアをすることができます。
今回は、何度も入院することがある、医療的ケア児と親が助かる、
病棟でのサポートを5つ紹介します。
目次
1)ミルトンを貸してくれる
哺乳瓶や栄養ボトルの消毒に欠かせないミルトン(次亜塩素酸ナトリウム製剤)。
でも、あの容器はとにかく大きくてかさばりますよね…。
そんななか、病院でミルトン容器・薬液を貸してくれたときは本当に助かりました。
荷物が多い入院生活で、こういったサポートはありがたいです。
2)看護師さんが夜間に子どものケアをしてくれることも
夜間も娘が泣いていて、疲労がたまっていた夜。
看護師さんが「病棟が落ち着いているので、今夜はナースステーションで預かりますよ」
と声をかけてくださり、
朝6時までしっかり休ませてもらえたことがありました。
ただ、娘の泣き声が病室にまで聞こえた時は、
「今日は無理かな…」と自分で判断して、一緒に病室で過ごすこともあります。
また、夜中の経管栄養の準備や片づけも
看護師さんが行ってくださることがあり、
親も夜間休めるような環境を作ってくれました。
毎回の入院で、娘のケアをしっかり理解してもらえているからこそ、
安心して預けられるのが嬉しいです。
3)レスパイト入院を提供する病院がある
医療的ケア児を育てる家庭にとって、安心して預けられる場所はとても重要です。
**「いつもの病院でレスパイト入院ができる」**場合があり、
普段の状態やケアを把握してくれている病院だからこその安心感があります。
レスパイト入院ができるからと、その病院を選んで通われているご家庭もあります。
4)ケアに必要な物品をそろえてくれる
娘はSPO2(酸素飽和度)が不安定のため、パルスオキシメーターをいつもつけています。
病院では、自宅でいつも使っているパルスオキシメーターを貸してくれる病院もあります。
ない場合は、ベッドサイドモニターをお願いして、
病室内でも脈やSPO2をチェックできるようにしています。

家で使用している”パルスオキシメーター”
青色の数値がSPO2(酸素飽和度)
黄色が脈拍を示しています。
この機械は、ナースステーションへ情報を
送信できないため、入院中に使う場合は、
看護師さんがナースステーションで見れるモニター
と併用し、2種類のパルスオキシメーターを使うことがあります。

こちらは、”ベッドサイドモニター”です。
患者さんご本人も数値を見ることが出来、
看護師さんもナースステーションで情報を
確認することができます。
ただし、台数に限りがあり、重症度や緊急性が高い患者さんに使用することが多いです。
そのため、当日使用できない場合もあります。あらかじめ注意が必要です。
※画像はAIで作成しているため、実物とは異なります。
ほかにも、吸引瓶やカテーテルなどケアに必要な物品をそろえていただけるため、
スムーズにケアが始められます。
また娘は逆流性食道炎があるので、頭を高くして寝ないといけませんが、
入院時、看護師さんがバルタオルを畳んで、娘に合ったベッドをつくってくれています。
頭にアイスノンを当てることなども、プライマリー看護師さんが看護計画に記しているため、
それを見て、他の看護師さんが統一してケアをしてくださっています。
入院初日は不安が多いものですが、こうした心遣いや環境が整っていると
とてもありがたいです。
5)病院から在宅へ連携してくれる
医師、看護師、リハビリスタッフが、それぞれの立場から情報提供書を作成し、
在宅でのケアがスムーズに行えるよう、しっかりと連絡・連携してくれます。
情報提供書を送る前に、内容確認のため家族が事前に確認できる病院もあります。
DNARのことや、医師から伝えられた厳しい現実など、家族にとっては言葉にしづらい内容も、
代わりに伝えてくれるのがありがたいです。

みなさんの病院は”プライマリーナーシング”が取り入れられていますか?
私の娘が通っている病院では、1度退院しても、
再度入院した際に、再び同じ看護師さんが、
”プライマリー”として担当してくれて、継続的に関わってくれます。
とても信頼できて、私たち家族にとって心の支えになっています。
プライマリーナーシングとは
🧑⚕️「プライマリーナーシング」とは
病院によって異なりますが、「プライマリーナーシング」という
看護方式を取り入れているところがあります。
これは、**“プライマリー=主要な”**という意味の通り、
1人の患者さんに対して、1人の看護師さんが担当となって関わるスタイルの看護です。
◆どんな看護なの?
入院から退院まで、担当の看護師さんが患者さんに応じた看護計画を立案し、
入院生活はもちろん、退院後も安全に過ごせるように、必要なサポートを行う看護です。
看護業務は多岐にわたるため、もちろん毎回、プライマリー看護師さんが、
日々病室に来てくれるわけではありませんが、
カルテを通して状況を把握し、
他の看護師さんや医療スタッフから情報を集めます。
そして、ときには病室に足を運んで、**「困っていることはないですか?」**と声をかけて
サポートを考えてくれます。
私が以前勤務していた病院では、出勤時は必ず、顔と名前を覚えてもらうためにも、
担当の患者さんに挨拶をするように、指導されていました。
💛メリット
プライマリーナーシングの良いところは、
患者さんと看護師さんの間に信頼関係が築きやすいところです。
我が家も何度か入院を繰り返す中で、
プライマリー看護師さんを信頼することができ、
顔を見るだけでホッとできるようになりました。
時には思わず涙を流してしまうような本音も話せる、そんな存在です。
担当の看護師さんが「いつも見ていてくれる」「私たちのことを理解してくれる」という安心感は、
病院という緊張の多い場所の中で、私たち家族にとって本当に大きな支えになりました。
⚠️デメリット
デメリットとしては、プライマリーの看護師さんの知識や経験、
観察力・コミュニケーションなどのスキルによって、
ケアの質に差が出てしまうこともあるかもしれません。
また、プライマリー看護師さんと相性が合わないということも。
新人さんが担当だと、最初は不安に思う方もいます。
実際に”新人は嫌だ”と患者さんから言われたことがあります。
でも、先輩看護師さんの指導を受けながら、
丁寧に・慎重に向き合ってくれる姿を見ると、安心感を覚えることも。
新人看護師さんの場合は、ベテラン看護師さんのペアで対応したり、
リーダー看護師や主任さんが、随時、計画を確認してフォローするなど、
複数の目で安心してサポートする体制をとっている病院もあります。
患者さん一人ひとりの個性や状況に合わせて考えてくれる”プライマリーナーシング”の取り組みは、
とても温かい制度だと感じています。
おわりに
在宅と同じように、病院でも家族がスムーズに医療的ケアを行えることで、
ストレスがぐっと減り、安心して過ごすことができます。
いつも温かくサポートしてくださるプライマリーの看護師さんや病院の皆さんには
心から感謝しています。
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