
医療的ケア児を育てながらの妊娠・出産には、不安も多く、さまざまな準備が必要です。今回は、私自身の実体験をもとに「医療的ケア児ママが妊娠・出産を迎えるときの不安と準備」についてご紹介します。
目次
1.医療的ケア児ママが妊娠したときの思い8つ
1.医療的ケア児ときょうだい児を育てられるかという不安
日々のケアや通院,予想外の入院もある中で、もう一人の子を育てられるのか自信が持てない。
2.きょうだい児も医療的ケアが必要になるかもしれないという不安
苦しい思いはしてほしくない。
3.きょうだい児に制限をさせてしまうかもしれない不安
外出や遊びを我慢させることになるのではと心配になる。
4.入院や出産で医療的ケア児と離れることへの不安
自分がいない間のケア、子どもの体調が悪化しないか気がかりになる。
5.周囲への頼り方・支援体制への不安
「どこまで人に頼っていいのか」夫や祖父母、訪問看護など周囲の助けをさらに必要とすることへの遠慮や負い目を感じる。
6.自分の体調管理へのプレッシャー
妊娠中も夜間のケアや通院が続く中で、胎児や医療的ケアの子どもに影響はないか不安になる。
7.医療的ケア児の理解をどう伝えるかという悩み
医療的ケア児を育てながら出産することに否定的な意見を持つ人もおり、どう説明するか悩む。
8.経済的プレッシャー
十分に働けない中で経済的に不安がある。
9.家族が増えることへの喜びと希望
不安はあっても、新しい命を迎える喜びや、きょうだいができる嬉しさを感じる。
2.医療的ケア児ママが行った妊娠中・出産前に行った準備と大変だったこと
1)医療的ケア児のママさんに相談する
SNSや家族会で知り合ったお母さんに、相談しました。お母さんが入院することになったら、どうするか聞いたところ夫が仕事を休んで子どもと過ごす・レスパイト入院をするという返答でした。また、きょうだい児がいるお母さんにどこで出産したか聞きました。
2)産院の選択
①子ども・夫が付き添い入院ができる産院:
医療的ケアが私にしかできないことがあるため、医療的ケア児の子どもと夫が付き添いできる産院を選択しました。しかし、医療的ケア児の子どもが急変した時、すぐに対応できる人がいる方がいいとアドバイスを受け、娘のかかりつけの病院に相談しました。
②子どものかかりつけの病院:
子どものかかりつけの病院の産科に連絡したところ、「医療的ケア児の子どもと一緒に入院はできない」と言われました。しかし、小児科に相談すると、”母親は産科、子どもは小児科”で同時入院ができるセッティングをしてくれました。しかし、その病院は忙しく、常に子どもには付き添い入院が必要と言われました。祖父母にも簡単なケアや栄養の準備等について伝えましたが、難しそうでした。
③レスパイト入院:
レスパイト入院を受け入れている病院を調べ、産科も併設しているところに、紹介状を書いてもらい相談しました。こちらでは付き添い入院が必要ないということで、こちらで出産することにしました。
3)緊急時の対応、医師・児童相談所など多職種と会議・連携
前述したとおり、母親にしかできない医療的ケアがあるため緊急時(切迫入院など)の対応について医師・児童相談所・相談支援専門員・保健師など多職種と会議・相談をしました。
4)児童発達支援・デイサービス、レスパイト入院、在宅サービスの見直しをする
多職種の方々と相談を重ねた結果、児童発達支援やデイサービス、レスパイト入院を利用してみることになりました。
目的は、医療的ケアが必要な子どもが家族以外の人と関わることに少しずつ慣れていくこと。また、子どものケアができる人を増やすことの大切さも実感しました。
さらに、訪問看護やリハビリの支援も積極的に活用し、日常的に他の支援者と連携をとるようにしました。これにより、母親である私が少し離れる時間があっても、安心してケアを任せられる環境づくりを進めることができました。
5)医療的ケアの伝達
出産に向けて最も大きな課題は、医療的ケア児のケア体制をどう整えるかでした。
普段、母親が中心になって行っているケア(吸引、経管栄養、投薬など)を、他の家族や支援者に安全に引き継ぐ必要があります。
私の場合は次のような準備を行いました:
- ケアの手順を動画やメモにして共有する
- 主治医や訪問看護師と連携し、緊急時の対応フローを確認する
3.児童相談所の一時保護
1)児童相談所の一時保護とは
- 目的:家庭での生活が一時的に難しいときに、子どもの安全を守るために一時的に預かる制度です。
- 対象:虐待などの保護が必要なケースだけでなく、
・保護者の入院や出産、精神的・身体的な休養が必要なとき
・家族のサポートが得られず一時的に子どもをみられないとき
などにも利用されることがあります。
2)児童相談所の一時保護・施設利用の注意点
- すぐに受け入れ先が見つからないことがある
医療的ケアが必要な子どもの場合、対応できる施設や医療スタッフが限られているため、受け入れまで時間がかかることがあります。 - ケア方法をしっかり伝える時間が必要
吸引や経管栄養など、個別性の高い医療的ケアを安全に行ってもらうためには、事前に丁寧な引き継ぎや練習の時間が必要です。 - 施設ごとに利用条件や規約が異なる
利用できる期間・対象年齢・医療行為の範囲などは施設ごとに違うため、事前に確認することが大切です。 - 家族の希望と異なる対応になる場合がある
安全面や運営上の都合で、希望した施設や預かり方法が選べない場合もあります。 - 早めに預ける必要がある場合がある
出産が近づいてからでは調整が難しい場合もあるため、安全のため、妊娠が分かった段階から施設入所をすすめられる場合があります。
4.おわりに
今回は、私自身の実体験をもとに、医療的ケア児を育てながら妊娠・出産を迎えるときの不安や準備についてお話ししました。
妊娠中は体調の変化や緊急時の不安、上の子の育児やケアなど心配ごとが尽きません。けれども、たくさんの人に支えてもらうことで、少しずつ安心して出産に向けて進むことができました。早めに準備を進め、医療的ケア児と家族が安心できる環境を整えましょう。
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