咳と痰の色でわかる風邪の状況|コンコン、ゴホゴホ、透明・黄色・緑・さび色の違いと注意すべき症状

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みなさん、インフルエンザの予防接種はもうお済ですか?私は先日訪問診療時に娘と一緒に打ってもらいました。薬液注入時の痛みはありませんでしたが、翌日打ったところが痒さと重だるさを少し感じました。

さて、医療的ケアが必要なお子さんを育てていらっしゃるみなさんは、日ごろから感染予防に留意したり、咳や痰の変化に注意されていると思います。今回は、咳や痰の性状や色の違いについて一緒に勉強していきましょう。

1.咳はなぜ出る?風邪で咳が増える理由と、乾いた咳・湿った咳の違い

1)咳はなぜ出るのか?

咳は「体を守る防御反応」です。
ほこり・ウイルス・痰などが気道(のど〜気管支)に入り込むと、体はそれを外に出そうとして反射的に「咳」を起こします。
つまり、咳は単なる「症状」ではなく、異物や炎症から気道を守る大切な働きをしています。

気道には咳反射のセンサー(受容体)があり、これが刺激されると脳の「咳中枢」に信号が送られ、強制的に息を吐き出すことで異物を排除します。
したがって、「咳をすぐに止める」ことが必ずしも良いわけではありません。咳が出るときは、本当に咳止めのお薬を使うべきなのか医師としっかり相談しましょう。


2)風邪をひくとなぜ咳が増えるのか?

風邪をひくとウイルスによって気道の粘膜が炎症を起こします。
この炎症によって以下のような変化が起こります:

  • 粘膜が腫れて咳反射が過敏になる
  • 痰が増え、気道が刺激される
  • のどに炎症が広がることで、咳センサーが刺激されやすくなる

そのため、風邪の初期には乾いた咳(空咳)が出て、数日後には痰がからむ湿った咳に変化することがよくあります。


3)乾性咳嗽(かんせいがいそう)と湿性咳嗽(しっせいがいそう)の違い

咳には大きく分けて「乾性(から咳)」と「湿性(痰を伴う咳)」の2種類があります。

🔹乾性咳嗽(から咳)

  • 痰を伴わない、コンコン・ケホケホという乾いた咳
  • のどや気管支の炎症・刺激が主な原因
  • 初期の風邪、アレルギー、気管支喘息の初期などでみられる

刺激が強いと咳が続き、夜眠れないこともあります。
この場合は、咳中枢を鎮める咳止め薬が有効なことがあります。

🔹湿性咳嗽(痰がからむ咳)

  • 痰を伴う、ゴホン・ゴホンという咳
  • 気道内の分泌物を排出しようとする生理的反応
  • 風邪の後半、気管支炎、肺炎などでみられる

湿った咳は**無理に止めず、痰を出しやすくする治療(去痰薬・加湿・水分摂取)**が中心になります。


4)咳が長引くときは?

通常の風邪なら、咳は1〜2週間でおさまりますが医療的ケア児の場合は長引く可能性が高く注意が必要です。

一般的な風邪ではない場合:

  • 百日咳
  • マイコプラズマ・クラミジア感染症
  • 喘息・咳喘息
  • 逆流性食道炎(胃酸がのどを刺激)
  • 慢性気管支炎など

気胸や肺炎、副鼻腔炎など合併し重症化している場合もあり、長引く咳は「原因を調べる」ことが大切です。

受診をして、レントゲンや採血などでしっかり検査をしましょう。

2.痰の色でわかる体のサイン〜風邪や感染症との関係〜

1)痰はなぜ出るのか?

痰(たん)は、気道(のど・気管・気管支など)を守るために出る防御反応のひとつです。
空気中のほこり・細菌・ウイルス・花粉などが気道に入ると、体はそれらを外に出そうとします。
そのとき分泌される**粘液(=痰)**が異物を包み込み、咳と一緒に排出されるのです。


2)風邪をひくとなぜ痰が増えるのか?

風邪や気管支炎などの感染症にかかると、気道の粘膜が炎症を起こします。
炎症によって粘液の分泌が増え、さらに白血球や免疫物質が集まるため、痰が増えたり、色がついたりします。
つまり、痰の量や色の変化は「体がウイルスや細菌と戦っているサイン」です。


3)痰の性状(さらさら・ねばねば・あわあわ)

痰の性状は、原因によって異なります。

性状特徴・原因の例
漿液性(しょうえきせい)痰さらさらして透明。アレルギー性鼻炎や初期の風邪など。
粘稠(ねんちょう)痰ねばねばして出しにくい。気道炎症が強いときや、脱水時など。
泡沫(ほうまつ)状痰白く泡立つような痰。心不全や肺水腫などで見られることも。

4)痰の色でわかること

痰の色は、**混じる成分(白血球・細菌・血液など)**によって変化します。

意味・原因の目安
透明正常〜軽い風邪。ウイルス感染初期やアレルギーでもよく見られる。
白色・灰白色炎症が続いて粘りが増した状態。慢性気管支炎や副鼻腔炎のときも。
黄色白血球(好中球)が増えている状態。細菌感染のサイン。風邪の中期など。
緑色細菌感染が強いとき。副鼻腔炎・気管支炎・肺炎などで見られる。
茶色・さび色血液や古い炎症産物が混じっている。肺炎(特に肺炎球菌性)などに注意。
血が混じる咳のしすぎや強い炎症でも起こるが、肺高血圧など既往歴が悪化している可能性もあり。はやめの相談・受診を。

5)受診の目安

  • 高熱・呼吸苦・胸痛を伴う
  • 痰が硬くて吸引できないor痰が柔らかすぎて常に吸引が必要
  • 血が混じる痰が何日も続くなど
    このようなときは、自己判断せず医療機関を受診しましょう

3.おわりに

私の娘は”コンコン”とした咳をしていたため小児科・耳鼻科に受診しましたが原因不明と言われました。咳止めを内服していても2週間”コンコン”とした咳が続いた翌日、”ゴホゴホ”という咳に代わり、鼻水やくしゃみ、痰、頻脈がでました。風邪をひいたのは生まれてから2回目ですが、前回とは違う症状なので驚きました。

風邪はいつどこでうつるか分かりません。また医療的ケア児の場合、どのような症状がでるか分かりません。感染予防対策を行いながら、日々の変化に注意して生活していきましょう。

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