
みなさんは、急変時の連絡方法を決めていますか?
日常は落ち着いていても「もし急変したらどうしよう」と不安になることがありますよね。
特に夜間や休日など、主治医がいない場合は焦ってしまうこともあるかと思います。
この記事では、緊急時に慌てず対応できるよう、在宅で医療的ケア児が急変した際の連絡方法と準備のポイントをまとめました。
目次
1.緊急連絡の優先順位と連絡先リスト
①119番(救急要請)
 →「呼吸が止まりそう」「意識がない」など命に関わるときは迷わず通報。
②訪問診療医・訪問看護ステーション
 → 軽度〜中等度の変化で、緊急搬送が必要か相談したいとき。搬送先の病院を探したり、かかりつけの病院に連絡してくれることも。
③かかりつけの病院
 → 主治医不在時や夜間・休日はどうするか事前に相談を。
④相談支援専門員・保健師など
 → 長期的な支援体制見直しが必要な場合。
私たちの場合は、
緊急性が高い場合はすぐに救急車を呼ぶ。そしてその間に訪問診療医もしくはかかりつけの病院に連絡することになっています。事前に主治医に確認しましょう。ただ私の実体験では、かかりつけの病院は看護師が医師に確認する等時間がかかるため、訪問診療医師にお任せしたほうが早い場合もあると思いました。
2. 119番通報時の流れと聞かれる内容
ある日、医療的ケア児の娘の呼吸がいきなり苦しそうになり、”これは危ない!!”と思い119に電話をしました。

電話をかけるとオペレーターが出ます。一つ一つ質問されるので、ゆっくりと正確に答えていきましょう。
1)「救急ですか?火事ですか?」
「救急です」と伝えましょう。
2)聞かれる主な内容
以下のような質問が聞かれます。
落ち着いて答えられるよう、普段からメモを準備しておくと安心です。
| 質問内容 | 具体例・答え方のヒント | 
|---|---|
| ① 場所(住所) | 「〇〇市〇〇町〇丁目〇番地〇号」など。 マンション名や部屋番号も忘れずに。 → すぐに分からないときは「近くの目印(コンビニ・学校)」を伝える。  | 
| ② どうされましたか?(誰が、どうした) | 「18トリソミーの女児で呼吸が苦しそうです。酸素は6L流していてSPO2は50%です。」など、できるだけ簡潔に。 | 
| ③ 意識や呼吸の有無 | 「呼びかけても反応がない」「呼吸が弱い」「顔色が悪い」など観察した状態を伝える。 | 
| ④ 年齢・性別 | 「〇歳の男の子(女の子)です。」 | 
| ⑤ 名前(または呼び方) | お子さんの名前を伝えると、現場での対応がスムーズです。 | 
| ⑥既往歴・ 医療的ケアの内容 | 「病気はてんかん、心室中隔欠損があり、普段から酸素療法中です」「吸引が必要です」など。 | 
| ⑦ かかりつけ医療機関 | 「〇〇病院小児科の△△先生にかかっています。」 | 
| ⑧ 病院には連絡しましたか | 「今から連絡します。」「訪問診療医師が電話しています。」「夫が電話中です」など | 
その後、「今救急隊員が向かっています。もし急に泣き止んでぐったりしたら、再度電話してください」と言われ電話を切りました。
3.119電話の反省点
1)住所が分からなくなった
かなり焦っていたため、住所が分からなくなりました。緊急時のフローチャートの紙に住所が書いてあったので助かりました。みなさんもぜひ壁に住所やかかりつけの病院の電話番号などを貼っておきましょう。
2)今後一人で急変時に会った時の対応を考える必要がある
今回夫と手分けをして連絡や準備をしましたが、一人だったらスムーズに対応が出来なかったと思います。呼吸が苦しそうな娘をかかえての連絡や病院に行く準備は大変なため、あらかじめ荷物をまとめておくなどシュミレーションが大切だと思いました。
3)スマホを常に持っておく必要があった
今回救急隊員が到着するまで25分かかりました。実は、救急隊員が3回スマホに電話をかけていました。今となっては内容は不明ですが、スマホを常に持っておく必要があったと反省しました。
4)救急隊の到着が遅くて不安になった
救急隊員の到着が遅い場合は、トラブルもあり電話がかかってくるためスマホを常に持っておきましょう。
4.事前の準備が大切
医療的ケア児と在宅で過ごすうえで、急な体調変化はいつ起きてもおかしくありません。
だからこそ、日頃から「緊急時の連絡体制」を確認しておくことがとても大切です。
1)緊急連絡体制の確認
- 119番(救急)をかけたあと、どのうような行動をするか家族で共有・役割分担をしておく
 - かかりつけ医、小児科、訪問看護ステーションの緊急連絡先をリストにまとめておく
 - 夜間・休日時に搬送する病院を探しておく
 - 緊急時のフローチャート、自分の住所を書いた紙を壁に貼る
 
2)病院に持っていくものの準備
急な搬送時に慌てないよう、あらかじめ「持ち出しバッグ」を作っておくと安心です。
たとえば:
- 母子手帳・お薬手帳・医療証・保険証
 - 医療的ケアの物品(モニター・酸素・吸引チューブ・バックバルブマスクなど)
 - ミルク・おむつ・お薬・タオル・ティッシュ・毛布・現金など
 
3)自分のことも大切に!!
病院に到着すると、親は長時間つきっきりになり、自分の飲み物や食べ物など買いに行けないことがあります。
スマホ、現金、防寒具、自分の飲み物・食べ物・薬なども準備しましょう。
4)救急隊員は心臓マッサージをすることも
救急隊員は延命治療を行うため心臓マッサージや痛みを伴う処置を行うことがあります。延命治療を希望されない場合は、事前に医師と話し合っておきましょう。
5.おわりに
医療的ケア児と一緒に過ごす毎日は、喜びと同時に不安や緊張の連続でもあります。
緊急時は慌てますが、回数を重ねることで、慣れていきます。まずは、緊急時の連絡方法や準備を整えて「もしものとき」に慌てず対応できるようになりましょう。
どうか、今日もお子さんと穏やかな時間を過ごせますように。
そして、「いざ」という時にも、あなたとお子さんが守られる環境が整っていますように。
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